脂肪幹細胞豊胸
脂肪注入豊胸手術のひとつ。CAF法とも呼びます。しかし、ピュアグラフト豊胸やコンデンスリッチ豊胸などの濃縮脂肪豊胸手術とは大きく異なります。
その理由は、脂肪由来の幹細胞を取り出し、脂肪と一緒に胸に注入するためです。濃縮脂肪豊胸手術との違いは幹細胞を脂肪と一緒に入れるか入れないかです。
濃縮脂肪豊胸手術で効果が出なかった人が、脂肪幹細胞豊胸を受けます。
脂肪幹細胞とは
幹細胞は、新しい脂肪や血管になったり、組織を修復したりするものです。再生医療として美容業界でも、幹細胞は注目されています。
幹細胞は、脂肪の中にあるもので、脂肪と分離させる必要があります。この分離は、遠心分離機ではできず、自動式の「セルーションシステム」か、手動の「CAL細胞調整室」という医療機器で行います。
脂肪幹細胞豊胸と定着率
脂肪幹細胞豊胸 | 幹細胞も使用 | 定着率80% |
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コンデンスリッチ | さらに質の良い脂肪を選別し使用 | 定着率80% |
ピュアグラフト | フィルターで不純物を取り除いた脂肪を使用 | 定着率50% |
脂肪幹細胞豊胸の定着率は80%。コンデンスリッチ豊胸も定着率は80%と同じです。しかし、脂肪幹細胞豊胸は濃縮脂肪豊胸とは異なるアプローチをするため、コンデンスリッチ豊胸で脂肪が定着しなかった人が脂肪幹細胞豊胸を受けます。
濃縮脂肪豊胸手術には2種類あります。ピュアグラフトとコンデンスリッチです。
ピュアグラフトでは、特殊なフィルターを使い、不純物を取り除いた脂肪を胸に注入します。コンデンスリッチは、さらに踏み込み、質の良い部分の脂肪だけを選び上げ使用します。
脂肪が胸で定着すれば、半永久的に豊胸効果が持続します。また、太りやすい部分の脂肪を使えば、より豊胸効果があります。
脂肪幹細胞豊胸手術前のエコー検査
脂肪幹細胞豊胸手術前には、胸のエコー検査を行います。エコー検査は超音波による検査です。人間の耳では聞き取れない超音波を胸に当て、その反動波(エコー)で、胸の内部を読み取り、白黒画像化します。白黒がはっきりするため、しこりを発見しやすく、乳がん検査にも利用されます。
このエコー検査で問題がなければ、脂肪注入豊胸手術を受けます。美容外科の中には、エコー機器を取り入れていないところもあるので、そういうクリニックは避けましょう。
脂肪幹細胞豊胸の手術
まずは麻酔をかけられます。これで術中は痛みはありません。
脂肪吸引から始めます。マーカーで印をつけて脂肪をとると決めたところに、メスで3mmほど傷をつけます。
切り口を保護するため、おしゃぶりの様な大きさと形状で、中央に穴が空いたプロテクターをはめます。麻酔液の入った注射をプロテクターの穴から挿し入れ、脂肪吸引するところに麻酔をかけます。次にVASER(ベイザー)という超音波を出す棒状の機器で脂肪を柔らかくしていきます。最後に棒状の脂肪吸引器を挿し入れ脂肪を吸引していきます。
採取した脂肪を幹細胞抽出用と脂肪注入用に分けます。幹細胞抽出用脂肪は、セルーションシステムで、幹細胞を分離します。脂肪注入用脂肪は、ピュアグラフトか遠心分離機で良質な脂肪を取り出します。最後にこれら幹細胞抽出用脂肪と脂肪注入用脂肪を混合します。
豊胸手術は、ヒアルロン酸注入手術と同じになります。注射を入れられるように、わきなど目立たない部分にメスで2mmほど切ります。切り口から幹細胞入り脂肪の入った注射を打ちます。
脂肪の入れ方に技術があります。棒線を引くように脂肪を入れていきます。これで脂肪への定着率が変わります。
カウンセリングと同じようなデザインが完成したら豊胸手術は終了です。施術時間は3、4時間ぐらいです。
脂肪幹細胞豊胸手術の痛み
術中は、麻酔を行っているので痛みはありません。術後、麻酔が解けると、脂肪をとった部分よりも、脂肪を入れた胸の方が痛みがあります。
胸の痛みは、筋肉痛になった時の痛みと同じで、耐えられるレベルの痛みです。
脂肪幹細胞豊胸手術の問題点
脂肪に幹細胞を入れる脂肪幹細胞豊胸手術については、幹細胞ががんに転化するリスクがある、と言う人もいます。臨床結果が得られないため、その真偽は不明です。
脂肪幹細胞豊胸手術の費用・相場
脂肪幹細胞豊胸手術の費用 | 1,500,000円 |
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脂肪幹細胞豊胸手術の料金・費用は平均で1,500,000円。幹細胞豊胸では必須の「セルーションシステム」を使っていないクリニックもあるので異常に安いところは注意。
品川美容外科のプレミアム脂肪幹細胞注入法ベーシック(脂肪吸引代+120,130円)、共立美容外科の高度再生医療による幹細胞脂肪注入法豊胸術(802,300円)は、本来の脂肪幹細胞豊胸とは異なります。
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